パース

C. S. パース
Charles Sanders Peirce, 1839- 1914

[伝記]
アメリカの哲学者、科学者、論理学・数学者。1839年、マサチューセッツ州ケンブリッジに生まれる。早くから父の英才教育を受けていた。1859年、ハーヴァード大学卒業。1861年、ハーヴァード大学のローレンス科学学校に入学し、在学のまま、合衆国沿岸測量部に就職。また、その間ハーヴァード大学付属天文台の助手としても働き、光の波長を測量の単位とする方法を考案した。パースとジェイムズはほぼ同年代であり、ともにハーヴァードで学んだ友人同士である。同様に、父で、数学者のベンジャミン・パースや、宗教家であったジェイムズの父などは、エマソンのサークルに出入りしており、これがアメリカ・プラグマティズムの源流になったと考えることもできる。パースの論理記号のシステムは、のちにエルンスト・シュレーダーや、ホワイトヘッドに採用されるなど多くの方面にわたって、様々な功績を残している。哲学への関心も大きく、その学問的才能を認められながらも、ほとんど教職につくことができなかったのは、その気難しい性格や、女性問題が原因だといわれている。膨大な量の論文と書評、草稿を残しながらも、生前に刊行された書物はわずかであった。彼の死後20年を数えると、パース論文集、パース著作集が刊行されるようになった。

[概要]

[年表]
1839年、マサチューセッツ州ケンブリッジに生まれる。
1859年、ハーヴァード大学卒業。
1861年、ハーヴァード大学のローレンス科学学校に入学。合衆国沿岸測量部に就職。
1869年、同年から1875年まで、ハーヴァ―ド大学天文台助手。
1879年、ジョンズ・ホプキンス大学の論理学の講師。
1887年、ペンシルベニア州ミルフォードに隠棲。
1914年、ペンシルベニア州ミルフォードにて死去。

[主要著作]
・『世界思想教養全集14:プラグマティズム』久野収ほか訳、河出書房新社、1963年。
・『世界の名著48:パース・ジェイムズ・デューイ』上山春平・山下正男、魚津郁夫訳、中央公論社、1968年。
・『偶然・愛・論理』浅輪幸夫訳、三一書房、1982年。
・『パース著作集(1-3)』、勁草書房、1985年―1986年。
・『連続性の哲学』伊藤邦武訳、岩波書店、2001年。
・『プラグマティズム古典集成:パース、ジェイムズ、デューイ』植木豊訳、作品社、2014年。

[関連文献]
・伊藤邦武『パ-スのプラグマティズム ― 可謬主義的知識論の展開』勁草書房、1985年。
・伊藤邦武『パ-スの宇宙論』岩波書店、2006年。
・鶴見俊輔『アメリカ哲学』、講談社学術文庫、1986年。
・魚津郁夫『プラグマティズムの思想』、筑摩書房、2006年。
・伊藤邦武『プラグマティズム入門』ちくま新書、2016年。
・『現代思想―いまなぜプラグマティズムか』青土社、2015年。

[ウェブサイト]

(本ページのコンテンツは、本ウェブサイトの管理者の主宰する英米哲学研究会で作成したものです。特に本ページの作成に際しては堀越耀介さんに協力して頂いています。)

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